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特別展「李恢成の文学」
根生いの地から朝鮮半島・世界へ

 芥川賞受賞作「(きぬた)をうつ女」(1971年)、映画化された「伽倻子(かやこ)のために」(1970年)で知られる在日二世作家の李恢成(り・かいせい/イ・フェソン、1935年~)は、樺太(現・サハリン)真岡町で生まれ、戦後は、高校卒業までを北海道・札幌市で過ごしています。
 樺太での親族との別離の経験、札幌での未成年期にはじまった自己探求が、「自分とは何者か」 「人間のほんとうの姿は何なのか」という問いを生み、李恢成を文学へと向かわせる大きな原動力となりました。
 「
またふたたびの道」(第12回群像新人文学賞、1969年)で文壇デビューしてからは、「砧をうつ女」(第66回芥川賞、1972年)、「見果てぬ夢」(197679年)、「百年の旅人たち」(第47回野間文芸賞、1994年)など歴史に翻弄される人間の姿を正面から描いた文学作品を発表してきました。その中で、二度にわたり韓国へ訪問し、「北であれ南であれ わが祖国」という新しい民族観を打ち出しています。また、在日文芸誌「民涛(みんとう)」の主宰、サハリンへの帰郷、カザフスタンなど中央アジアに居住するコリアン同胞との邂逅を経て、境界線上に生きる「在日」の可能性を見いだし、李恢成文学は「世界」へと開かれていきます。 
 現在は、2000
1月から「群像」に連載を開始し、第4部まで刊行された自伝的大河小説「地上生活者」の第5部にライフワークとしてとりくみ、戦中から戦後にかけての自身の個人的な記憶を通して、公式的な歴史では語り得ない、時代の深層を小説によって描き出そうとする貴重な試みを続けています。
 グローバル化が叫ばれて久しい今日、国を超えた人や情報の流れがより活発になる一方、異文化衝突の問題はいまなお大きな課題として世界各地に存在し続けています。こうした世界において、「在日」する人々の外面的、内面的な葛藤の経験は、今後、ますます重要になってくるといえるでしょう。
 本展では、日本と世界が直面する困難な諸問題から常に目を逸らさず、「世界文学」の地平で人間を問いつづける、李恢成文学の全体像を紹介します。

 
展覧会チラシ

[展覧会チラシ](PDF形式:約1.7MB)
     
     
   
会期

2012(平成24)年1月28日(土)~2012(平成24)年3月25日(日)
休館日:月曜日 

 
開館時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
 
会場
北海道立文学館特別展示室 
 
観覧料 
一般600(480)円、高大生350(280)円、小中生250(200)円
( )内は10名以上の団体料金
 
主催 
北海道立文学館 公益財団法人北海道文学館 北海道新聞社 
 
後援 
札幌市 札幌市教育委員会
 
展覧会関連事業 
  文芸講演会 「根生いの地から朝鮮半島・世界へ」
講  師 李恢成(作家)
日  時 2012(平成24)年1月28日(土)14:00開始
会  場  北海道立文学館講堂
定  員  80名
聴 講 料  無料
申込方法  おかげさまで定員になりました。ありがとうございました。
      
  鼎談 「李恢成文学における"記憶"をめぐって」
出  演 李恢成(作家)、籔博(真岡第一国民学校同級生、写真家)、永岡杜人(文芸評論家)
進  行 工藤正廣(北海道大学名誉教授)
日  時 2012(平成24)年2月19日(日)14:00開始
会  場  北海道立文学館講堂
定  員  80名
聴 講 料  無料
申込方法  おかげさまで定員になりました。ありがとうございました。
  映像作品鑑賞のつどい
作  品 「伽倻子のために」(原作:李恢成/監督:小栗康平/1984年/117分)
日  時 2012(平成24)年2月26日(日)13:30開場
会  場  北海道立文学館講堂
定  員  80名
観 覧 料  無料
申込方法  往復葉書による申し込み[2月12日(日)消印有効]
      
  一人芝居「オンマの白いチョゴリ」
出  演 金時江(キムシガン)
作  品 権正生『オンマの白いチョゴリ』(海風社、1992年)より
日  時 2012(平成24)年3月18日(日)14:00開始
会  場  北海道立文学館講堂
定  員  60名
聴 講 料  無料
申込方法  3月4日(日)より℡(011-511-7655)にて受け付けます